転職回数が多いのは不利?現状を打開するための4つの要件とは?

「転職回数が多くて書類選考や面接が中々通過しない」という悩みを持つ方は多いと思います。

私自身も転職回数が多いです。ちなみに自分は40代前半で4回です。特に前職を短期間で辞めた後の転職活動は非常に苦労しました。

もっと転職回数が多い方も沢山見て来ていますし、本記事の読者様でも当てはまる方がいるかもしれません。

転職回数が多いのは一般的にはネガティブな見られ方をするのは間違いないと思います。いかに経験値の高さや専門性、人物像に優れていても、それだけで「中途採用の選考では不利な立ち位置からスタート」と思うぐらいでちょうど良いです。

書類選考でも「転職回数〇回以上」という足切り基準を設けている企業はありますし、仮に面接に進んでも、過去の退職理由を納得が得られるように伝えられなければ、ご自身の経験等をアピールする時間を十分に得られないまま面接終了となり、結果的に不合格になってしまいます。

ちなみに、いわゆる国内の著名な大手企業であれば「30歳までに転職回数1~2回ぐらい」が許容限度でしょう。

「転職回数が多い」=「不利」というか「悪」

実際に中途採用の面接ではこういうレッテルを貼られているといっても過言ではありません。

もちろん20代で転職1~2回程度なら幾らでも言いようはありますが、30代で4~5回以上とかだとやはり「多い」と見なされます。

そのぐらい企業が嫌う「転職回数の多さ」。今回これを少しでも覆すために必要と思われる要件を今回以下の4つに纏めてみました。

「転職回数が多い=不利」を覆すための4要件
  1. 退職理由はやむを得ないものになっていますか?
  2. これまでの職歴に一貫性はありますか?
  3. 転職回数に厳しい企業ばかり受けていませんか?
  4. 直近の在職期間と”全体の流れ”はどうですか?

それでは早速一つずつ見て行きましょう。

本記事の4要件は私自身の経験に基づく個人的見解です。結果に対する責任は一切負いかねます。ご利用は全て自己責任でお願いします。

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「転職回数が多い=不利」を覆すための4要件

要件1:転職理由は「やむを得ない」ものになっていますか?

「転職回数が多い=悪」を覆すための4要件の一つ目は”転職(=退職)理由”です。

転職理由は多岐に渡ります。それで幾つもブログ記事が書けてしまう程ですが、かなり重要です。読者の皆さんは面接でどのような転職理由を伝えていますか?

転職理由を見直してみる事で、状況を好転させるヒントになるかもしれません。以下、簡単ですが2つほど例示してみます。どちらも改善が必要な事例です。

面接官
面接官

「転職理由を教えて下さい」

応募者
応募者

例1)「御社の社是に魅力を感じ、御社で営業の仕事をしたいと思い転職を決意しました。」

面接官の心の声
面接官の心の声
  • 志望動機であって転職(=退職)理由ではない(ここをごまかす人が多い)。
  • 何も不満がないのに会社を辞めるという説明はそもそも不自然。
  • 自社の営業ではなぜダメなのか?本当に「やむを得ず」の転職なのか?

応募者
応募者

例2)「上司の仕事が遅くて無駄に残業が増えるのがイヤになりました」

面接官の心の声
面接官の心の声
  • 残業が多い状況を上司のせいにしている(=他責的
  • 職場環境の改善に向けて本人は何の行動も起こさなかったのか?(=無責任

いかがでしょうか?

まず前提として企業側では、「入社してもらっても同じ理由ですぐに辞められたら(いかに優秀でも)採用するメリットはゼロ」と思っています。そのため、応募者の退職理由を聞いて以下の点で納得できるかを厳しくジャッジしています。

  • 過去の転職はそれぞれやむを得ないものだったか?
  • ウチに入社しても同じ理由で辞めてしまいそうか否か?

こうした観点からご自身の退職理由をきちんと見直ししてみる事をオススメします。

退職理由別の対策については、個別に記事を書いております。以下にリンクを貼っておきますので、よろしければご覧ください。

要件2:これまでの職歴に一貫性はありますか?

同じ転職回数でも「職種などで脈絡のない転職」を繰り返して来た場合と、「一貫性のある転職」では相手が受ける印象は全く異なります。

例えば、転職回数がどちらも3回の人がいたとします。年齢や経験年数は仮に同程度として、以下どちらが印象が良いでしょうか?

例:Aさん
  • 1社目:工場ライン製造職
  • 2社目:WEB制作会社
  • 3社目:販売職
  • 4社目(現職):営業職
例:Bさん
  • 1社目:販売職
  • 2社目:販売職
  • 3社目:販売職
  • 4社目(現職):販売職

受ける企業、職種にもよるかもしれませんが、一般的にはBさんの方が職歴が一貫しており印象は良いはずです。

Bさんのケースであれば、「転職を通じて一貫して販売職としてのスキルアップを図って参りました」といった転職理由も(転職回数や受ける企業次第ですが)通じるかもしれません。

一方、Aさんは職種もその都度コロコロ変わっており、次の転職では「何がしたいのか?」をきちんと面接で説明する事が求められるでしょう。

そこで本項で言いたい事ですが、Aさんのように転職回数が多く、職歴も一貫しないケースにおいても、「これまでの複数社での経験を整理して、応募先でどういう貢献ができるのか?」というストーリーを少しでも意識する事で、伝わり方も変わって来るという事です。

例えば販売職から営業職への転職ならば、「買うつもりがない顧客を購買につなげるノウハウ」や「実績を数字で語れること」、場合によっては「ご自身の性格」など、職種が違っていても共通する「強み」は何かあると思います。

  • 「販売と営業で職種は異なりますが、顧客と関係を築いて購買につなげるノウハウだけは誰にも負けません」
  • 「転職は重ねましたが、”顧客との関係構築”という軸だけはブレずにやってまいりました。今後の営業職でも必ず役に立てると思っています。」

といったイメージです。この場合、顧客との関係性を裏づける具体的なエピソードも準備しておきましょう。

ご自身の職歴で「過去(これまでの職歴)と未来(応募先)に少しでも一貫性を持たせられる”何か”がないか?」を再度点検してみて下さい。一件脈絡のないような転職歴でも探せば何か共通するものが見つかるかもしれません。

要件3:転職回数に厳しい企業ばかり受けていませんか?

業界や職種によって多少は異なりますが、転職に対して寛容な会社とそうでない会社があります。

あくまで一般論ですが、国内大手上場のいわゆる「ホワイト企業」は転職回数が多い方を嫌う傾向にあります。本当に前向きな理由で「転職を重ねる事でキャリアアップしてきました」という方であっても、

「やはり10年ぐらい一つの会社で勤務した経験が欲しいよね」

30~40代ぐらいの応募者に対しては、このぐらいが「ホントの本音」と言えるかもしれません。

良い悪いは別として、仮に1~2年ぐらいの短期離職を重ねてきた方と、こうした企業の面接官の価値観ギャップは最初から大きいと言えます。

つまり、今後は「待遇の良いホワイトで落ち着きたい」「もう転職は繰り返したくない」という気持ちも、私自身も経験者ですのでとてもよく分かるのですが、転職回数が多い方がこうした企業ばかりを高望みしすぎると、中々決まらずに転職活動が長引いてしまうかもしれません(転職は「縁」ですので、もちろん可能性がゼロとは言いません)。

かといって、転職回数に対して寛容な業界や企業に安易に飛びつくと、離職率の高さもあって結果的に”無駄に転職回数を増やしてしまうリスク”もあります。難しいところですよね。

「それならばどうすれば良いのか?」

転職回数や経験、年齢等、状況は個々人で大きく違うため、こればかりは一概に言えません。あくまで「もし私がホワイトばかり応募した結果、壁にぶちあたったら?」という前提でざっくり書きますと、

応募方針案
  1. 「高望みはやめて妥協できる条件と妥協できない条件をはっきりさせる」(例:残業は多少増えても良いが、通勤時間は絶対に妥協できない等。全てを満たす企業は存在しない
  2. 「待遇ばかりではなく、応募先企業の社員や雰囲気などの”フィーリング”が合いそうかどうかを重視する」(感覚的な話ですのでアバウトですが、面接等で何となく「この会社は合いそう」「なんか合わなそう」と感じた経験はないでしょうか?ホワイトだからと言って必ずしも自分に合うとは限りません。この自分の感覚を信じる。)
  3. 「上記を踏まえた自身の選択に責任を持ち、「次の会社で自分はずっとやっていくんだ」という気持ちを強く持つ」(”転職回数が多い”という悩みから脱するためには、「どこかで踏みとどまって頑張った経験」が必要です。直近企業の勤務歴が長ければ、企業側の見方が変わって来る場合もあります。それについては次項で書きます。)

大きな方針としてはこのような感じです。いずれにしても「3」はとても大切です。

そして本来は、転職して応募先企業に「仕事で貢献する」という点に立ち戻れば、条件云々よりも「仕事を通じて自分も応募先企業も共に成長できそうな企業」を選ぶのが本筋だとは一応申し上げておきます(綺麗事かもしれませんが)。

要件4:直近の在職期間と”全体の流れ”はどうですか?

最後の4つ目は、企業側が応募者の転職歴をこのように見る場合もあるという話です。

一言に「転職回数が多い」といっても、その中身によって受ける印象も全く変わってきます。例えば、以下の事例をご覧ください。

※Aさん、Bさんとも37歳、転職3回と仮定します(表中の年数は在職年数)。

1社目2社目3社目合計
Aさん10年4年1年15年
Bさん3年5年7年15年

どうでしょうか?2人とも通算15年の社会人経験ですが、Aさんを見ると最初の10年は評価できますが、その後はどんどん在籍期間が短くなっています。仮にこの流れのまま4社目に入社したとすると?「更に短くなりそう。。」とは思えませんか?

逆にBさんを見ると、最初は短めですが徐々に在籍期間が長くなって来ています。どちらの印象が良いかは明らかですね。

もちろん上辺だけでなく、経験してきた中身とアピールが肝心ですが、初見ではBさんの方が印象が良いと思います。

また「転職回数が多く、3年以上の在籍が一度もない」場合などは客観的に見ても「長続きしそうにない」という印象を持たれてしまいかねません。

私も以前人事をやってましたが「その人の能力やポテンシャルは良いと思っても、こうした方は正直(採用するのが)怖い」です。

万が一活躍してくれる可能性はあるかもしれませんが、それ以上に早期に辞めてしまうリスクの方が高いからです。採用する側にも責任が伴いますので。

纏めますと、「直近の在籍期間は長い方が印象が良い」これは間違いないと思います。

まとめ

「転職回数が多い=悪!?」のレッテルを覆すための4要件について書いてきました。

「転職回数が多い=不利」を覆すための4要件
  1. 退職理由はやむを得ないものになっていますか?
  2. これまでの職歴に一貫性はありますか?
  3. 転職回数に厳しい企業ばかり受けていませんか?
  4. 直近の在職期間と”全体の流れ”はどうですか?

繰り返しますが、転職回数が多い事が書類選考や面接で圧倒的に不利な状況であることは間違いないです。人事は採用する理由を探している一方で、落とす理由も探しています。

転職回数や転職理由などは「落とす理由の候補」として真っ先に狙われる部分であり、(採用側からしたら当然なのですが)十分過ぎるほど突っ込まれます。応募者から見たらまさに「転職回数が多い=悪」と言えるハードモードです。

そして転職回数が多いほど、付け焼き刃の対策では全く通用しない場合も多いですが、そんな不利な状況で転職活動しなければならない人もいると思います。

転職回数が多くとも今回挙げた4つの要件を意識して伝え方等を工夫する事で、選考を通過する可能性をほんの少しでも上げて行く事ができると思います。

Tak
Tak

本記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!

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