VBAエキスパート Excel VBAスタンダード 合格記

先日、VBAエキスパートExcel VBAスタンダードを受験して無事に合格しました。

合格スコアはあまり良くなかった(750/1000点)のですが、初級レベルのベーシック試験を飛ばしてスダンダード試験に挑戦して1回で合格出来たので、良かったと思っています。

そこで今回はVBAエキスパート試験の概要、転職に役立つのか、そして私が合格に向けて行った学習法についての記事になります。

VBAエキスパート試験に興味関心がある方は是非ご一読頂けたら幸いです。

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VBAエキスパート試験の概要

まずはVBAエキスパート試験について簡単にご紹介します。

試験範囲などが変更になる場合もありますので、必ず最新情報をVBAエキスパート公式サイトにてご確認下さい。

VBAエキスパートとは、Excel,Accessのマクロ・VBA(Visual Basic for Applications)のスキルを証明する資格です(著名なMOS(Microsoft office Specialist)のマクロ、VBA版と考えると分りやすいかもしれません)。

試験科目は以下の4種類です。

  • Excel VBA  ベーシック
  • Excel VBA  スタンダード
  • Access VBA ベーシック
  • Access VBA スタンダード

公式サイトによると、試験レベルはベーシックがビジネス一般向け、スタンダードがITプロフェッショナル向けとの事です(個人的にはベーシックが初級、スタンダードが中級ぐらいという感覚です)。

このうち、今回私が受験したのはExcel VBA スタンダードです。

ベーシックを飛ばしてスタンダードから受験することも可能のため、私はベーシックを受験していません。

また、スタンダードにはベーシックの試験範囲の理解度も含まれます

私が受験したExcel VBA スタンダードの試験概要は以下の通りです(詳細及び、その他の試験科目は公式サイトをご確認下さい)。

■問題数
40問前後

■試験時間
50分

■試験方法/出題形式
CBT形式(Computer Based Testing)。選択式、記述式など。

■合格基準
650~800点(1000点満点) 問題の難易度によって上下します。
→私の時は700点でした。

■受験料(一般)
14,850円(税込み) ※割引受検制度あり

■試験範囲

  1. プロシージャ
  2. 変数の活用
  3. ステートメント
  4. ファイルの操作
  5. ワークシート関数の利用
  6. 検索とオートフィルター
  7. データの並べ替え
  8. テーブルの操作
  9. エラー対策
  10. デバック

なお、合格率は非公表ですが、合格最低点(650~800点)を見ると8割以上の取得を目指して対策したいところです。

VBAエキスパート試験の受験動機等

本記事の読者の方のレベル感やバックボーンも様々だと思うので、私自身の事について簡単に書いておきます。

私は非エンジニアの事務職で、主に人事部門で社労士資格を活用して仕事をしています。それまでマクロ&VBAの実務経験はほぼありませんでした。

これまで人事情報の取りまとめや、給与計算のプロセスの一部でマクロを使用したツールを使用していましたが、マクロを組む側ではなく完全に使う側でした。

たまにマクロがエラーになった際のデバックもできませんし、For構文さえもロクに理解していませんでした。

しかしながらExcelを使った業務には普段から携わっており、マクロ&VBAで効率化できそうな部分もあると常々考えており、

マクロ&VBAを習得して職場の業務プロセスの改善、更には事務職としての自身のスキルや経験に付加価値をつけたいと思っていました。

そこであえてVBAエキスパート試験を受けた理由としては、学習の動機づけにしたかったためです。

一方、VBAエキスパート資格が転職に役立つかどうかについても関心がある方がいると思います。それについては、当方の人事採用担当の経験を元に本記事の最終項で触れていきます。

VBAエキスパート試験の合格に必要な学習時間

私がVBAエキスパート試験の合格に費やした学習時間は、約2か月(1日1時間の勉強で約60時間)です。

これは純粋にVBAエキスパート試験合格のためだけの勉強時間です。

合格までに必要な学習時間は個々のバックグラウンドにより様々だと思います。

現役エンジニアの方、実務経験がある方、ベーシック試験を既にパスしている方などはもっと早いかもしれません。

では、実務未経験なら60時間で受かるのか?というとそれは何とも言えません。

実は私の場合、先述の通り「VBAエキスパート試験試験に受かりたい」というよりは、「マクロを実務で使えるようになりたい」という気持ちの方が強かったため、

Excel VBAスタンダードの試験勉強に入る前に、「エクセルの神髄」という有名なVBA学習サイトの入門編と練習問題は一通り終えていました。

このサイトで毎日コツコツ1時間ぐらい学習を続けて、かれこれ半年以上を費やしました。

現在は職場で使うマクロも幾つか作って運用しています(これわざわざ自動化する必要あるの?というレベルのものもありますが・・)。

この助走期間を経たおかげで、Excel VBAスタンダードの公式テキストの内容もさくさく理解できたというのも試験勉強をスムーズに進めるうえで大きかったです。

こうした助走期間もなく、Excel VBA ベーシックも受けない状態だったならば60時間ではとても受からなかったと思います。

私はこれまでも社会保険労務士など資格試験は幾つか受けて来ていますが、こうしたプログラミング系はやはりコードを書いてなんぼ、デバックしてなんぼだと感じています。

ステートメントを丸暗記するだけでは意味がなく、使いこなしてこそだと思います。

未経験の方は簡単なコードからで良いので、とにかく書いて動かしてみて下さい。

「.」が一つ抜けてもプログラムはエラーになり動きません。エラーの原因を見つける・修正する過程から得られる学びも大きいです。

VBAエキスパート試験の学習方法

本項は、VBAエキスパート試験に特化した学習方法についてです。

学習方法も色々あると思いますが、個人的にはテキストに出てくる事例のマクロも含めきちんと理解して、隅々まで覚えれば合格最低点を超える事は可能だと思います。

ですので、公式テキストは入手されることを強くおススメします。

私は上記Excel VBAスダンダードの公式テキストを試験までに3周回しました。

公式テキストの説明は非常に分かりやすく、私のような初心者にも大変理解しやすかったのですが、

「For Each」や「Functionプロシージャ」あたりは個人的に特に苦手意識があったので、公式テキストの著者である「Office TANAKA」や「マクロちゃんねる」などのYou Tube動画も見て、より深い理解を心がけました。

そして公式テキストの2週目が終わったところで、模擬問題に挑戦。そこで出て来た弱点を潰しつつ、3周目で更に細かい暗記をしていきます。

無理矢理暗記した内容はやはり忘れていくので、ピークを試験直前に持っていくような調整も必要です。

そしてExcel VBAスタンダード試験では、選択式の問題の他、記述式の問題も割と多く登場します。

例えばWorksheetfunction.〇〇で使用する関数は何か?と記述式で聞かれたりします。

それが例えば任意の月の末日を表す関数ならば、「Eomonth」と何も見ずに書ける必要があります。スペルミスは許されません。

普段の実務では入力補助機能や、分からないところはGoogleで検索すれば何とでもなるようなところを覚えなければなりません。

こうした部分は「まさに試験のための勉強」という感じでやる気を削がれる場合もありますが、試験合格のためには割り切りが必要です。

また、私はテキストの要点や不明点をOneNoteに拾い書きしており、それを試験直前に高速で読み返しましたが、紙に書くのも暗記する方法としてとても良いと思います。

なお、公式テキスト経由での模試は1回分だけです。

1回では少ないという方向けに複数の模擬問題を販売しているサイトがあったと思いますが、私はやっておりませんので有用な情報を書けません。

本試験では「全く見たことない、これテキストに載ってったっけ?」といった問題も感覚的には2~3問ぐらいあったような気もします。

基本的にはテキストをきっとり押さえる事を学習の中心に据えるスタンスで問題ないと思いますが、不安を感じる方はこうしたサービスの利用を検討してみても良いかもしれません(自己責任でお願いします)。

なお、先述の通りExcel VBAスタンダードの試験ではベーシックの試験範囲の理解度も含まれます。

ベーシックを実際に受ける受けないは別として、ベーシックの試験範囲の理解に自信がないという方はベーシックのテキストも入手して読んでおくことをおススメします

いずれにしても、受験料も決して安くない試験です。誰しも1発で合格を決めたいと思うのは当然として、そのための学習方法、学習教材をどうするのか?

この辺りの塩梅も難しいですが、学習していく中で「このぐらいで十分」「もう少しやった方が良いかも」といったことも自分なりに見えてくるはずなので、まずは始めてみて下さい。

VBAエキスパート試験は転職に役立つか?

最後に、「VBAエキスパート資格は転職に役立つか?」についてです。

まず、VBA公式エキスパート公式サイトでは資格を取得するメリットとして以下の記載があります。

メリット4
就職・転職時の実力アピールに

マクロ・VBAは業務の効率化やシステム開発に活用されているため、就職・転職時をはじめ、社内でも高いスキルをアピールするのに効果的です。

引用元:VBAエキスパート公式サイト https://vbae.odyssey-com.co.jp/about/ 

社内でのスキルのアピールの他、就職・転職でもアピールになると書いてあります。

次に、資格がどの程度評価されるかというのは取得難易度ともある程度比例します。

そこで、資格難易度を掲載してあるサイトを見てみました。

資格の取り方
資格試験情報サイト 資格の難易度

Excel VBAスタンダードの難易度は上記2サイトとも「普通レベル」の位置づけで、特段難しい試験という位置づけではないようです。

そしてここからは、私自身が以前人事部の中途採用担当をしていた経験に基づいた主観となります。

資格の有無に関わらず、「マクロ&VBAが出来る」に対する評価がエンジニアと非エンジニアで全然違うと思います。

エンジニアの求人案件の中で、求められる言語がVBAのみという案件は現在の転職市場ではかなり少ないです。

JAVAやC系など他の言語が出来たうえで、「VBAも出来れば尚可」といったような案件が割合としては圧倒的に多いと思います。

その前提で、「VBAも実務レベルです。更にVBAエキスパート資格も持っています」という事でしたら一定の評価を得られるでしょう。

非エンジニアならば、例えば事務職でExcelを使える人は多いと思いますが、VBAを自由に書ける人は非常に少ないので、

「VBAを求められる職場」かつ「VBAを使用できる人が少ない」中で、貴方が実際にVBAを書けるならば「強み」として評価されると思います。

一方、Excelを普通に使えれば実務上困る事はなく、マクロ&VBAの使用までを求めていない職場も実際かなり多いため、

その場合は当然ですがマクロ&VBAでを使える事が大きな評価につながる可能性は低いでしょう。

結局はマッチング次第なところもあります。

いずれにしても資格よりもどのぐらい実務で使えるかが重要で、「資格が不可欠」というケースはそう多くないでしょう。

しかしながら、資格を持っている事で資格手当を出す会社もあると思いますし、

社内で新たにVBAを使う業務ニーズが出てきた時に、資格を持っている貴方に白羽の矢が立つこともあるかもしれません。

決して持っていて損になるという事はないでしょう。

最後になりますが、履歴書に書く場合は、以下のように書きます。

Excel VBAスダンダードを取得した場合

日本語表記:VBAエキスパート Excel VBAスダンダード 取得

英語表記:VBA Expert Excel VBA Standard 取得

引用元:VBAエキスパート公式サイト https://vbae.odyssey-com.co.jp/faq/detail2.html#detail2_6

本記事は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。