今回の記事は面接における「逆質問」についてです。
逆質問とは、面接を受けたことがある方はご承知かと思いますが、面接の最後に面接官から「最後に何か質問はありますか?」と応募者からの質問を受け付ける時間の事を言います。
この面接における逆質問については、
逆質問で何をどう聞けば良いのかわかりません。
給与や残業時間について聞いたらダメですか?
といったような疑問を持つ応募者の方も多いです。
そこで今回の記事では、逆質問の良い例、悪い例を具体的に示しながらこうした疑問にお答えしていきます。
逆質問は、面接の合否だけでなく、転職の成否を分けるといっても過言ではないぐらい重要なパートになります。是非最後までご覧頂き、応募企業に効果的な逆質問をするためのキホンを押さえて頂けたら幸いです!
それでは本題ですが、まずは逆質問の悪い例から入ります。
逆質問の悪い例
当然ですが、逆質問にも良し悪しはあります。何でも良いから質問しさえすれば良いというわけではありません。まずは悪い事例を幾つか見て見ましょう。
御社の取扱い商品を教えて下さい。
(ホームページのトップに書いてあるんだけどな・・・。企業研究をしていないのか?)
この会社では出世できますか?
出世できるかどうかは貴方次第だと思いますよ?(まず仕事で成果を出すことが先なのだが、自分の事だけ優先する人なのだろうか・・)
仕事は楽しいですか?
え?楽しいですよ?(質問が漠然すぎてなんと続ければ良いかよくわからん。。)
いかがでしょうか?何となく何が悪いのかはお分かり頂けると思います。
どんな内容を質問するにせよ、上記のような逆質問は避けた方が賢明です。
私自身も以前企業の人事部で採用の面接官をやっていたことがありますが、上記のような逆質問を何度も受けたことがあります。
私の場合は特に、取扱い商品やサービスなどあまりにも基本的な質問をしてくるケースはちょっとムッとしたことがあります。
「質問のための質問」であるのがバレバレで、そんなわかりきったことをイチから話さなければならないのかと。
少しでも企業研究をしていれば知らないはずがなく、本当にウチの会社に来たいのかも疑いたくなる感じです。
以下少し補足しておきます。給与や休日、残業時間など条件面に関する質問は、応募者側からすれば非常に重要な内容ですので不明点は質問すべきです。
その際は、会社や仕事内容に関する質問を1~2つした後で待遇面に関する質問をすると良いでしょう。待遇面の質問だけだと少し違和感を感じるという事です。
面接官も色々な感性の方がいるので一概に言えませんが、個人的には待遇面の質問は迷わずしてもらった方が結果的に入社後のミスマッチも少ないので良いと思っています。
もう一つ、「面接官が答えられない質問」についてですが、例えば採用面接官が人事部の方だけだったとして、貴方がプログラマー職志望で応募していたとします。そこで具体的な技術の話を逆質問しても人事部員では答えられない可能性が高いです。
このように相手の面接官がどんな立場の方かも想像して逆質問をする必要がありますし、面接官との性格的な相性もあるでしょう。
そしてまた、貴方が質問する前に面接官が流れの中で貴方がしたかった質問について答えてしまう場合もよくあります。
面接官が既に話した内容を更に質問するのは「さっき話したけど聞いてなかったの?」となりますのでNGです。この場合は臨機応変に別の質問に切り替える必要も出てきます。
逆質問の良い例
今度は逆質問の良い例についてです。
逆質問も質問意図によって様々です。仕事内容や待遇面への逆質問を始めとして、「長所をアピールしたい」「社風が合っているか知りたい」といったような意図に応じて沢山あります。
これを踏まえて、ここでは事例を2つご紹介します。
質問例1:(面接官の)〇〇様がこの会社に入って良かったと感じられた場面などあれば教えて下さい。
■質問意図
・企業理念や求人広告で言っている事が本当かを確認したい。
・採用を担当している人自身が自社に対してどう思っているのか、本音を聞きたい。
質問例2:中途採用で活躍されている方はいますか?いればどんな方でどのように活躍しているか教えて頂いてもよろしいですか?
■質問意図
・転職者も活躍できる環境か否かを確認したい。
・企業が求める人材像を知りたい。
上記両方の質問に共通しているのは、「具体的なエピソードで答えてもらう」という点です。
逆の視点で考えてみましょう。
面接官側が応募者に質問する際に、「貴方の長所は何ですか?」と質問したとします。それに対して応募者が、「素直さです」と回答したとしますよね。
聞き手としてはただ「素直さです」と言われても、「それを裏づける話」などを追加で話してもらわないと本当かもわかりませんし、具体的にイメージできませんよね?
そのため面接官側は応募者からより具体的な情報を得るために、具体的に「誰と?」「どのように?」「その時どう感じたか?」などの質問を重ねていく手法を採る場合も多いです。
したがって、応募者からの逆質問の際も少しでも具体的な情報を引き出すためにこういう手法を取り入れてみてはいかがでしょうか?という趣旨です。
そのうえで上記質問例1に関しては、面接官側も多少意表をつかれる質問かもしれませんので、咄嗟にホンネを聞けるかもしれません。
(ちなみに、あまり質問責めにすると不快に感じる面接官もいるかもしれませんので程ほどに。面接官の性格や様子なども見ながらその辺はうまくやってください。)
次に質問例2に関しても、実際に在籍している方の活躍ぶりを話せば良いため、面接官も答えやすいです。質問意図のように、そこから活躍する人材のコンピテンシーを垣間見る事もできるでしょう。
そこから更に「御社の求める人物像は?」と続けて質問しても良いでしょう。
ちなみに、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンについてご存知の方も多いかもしれません。前者がYes/Noで答えられる質問、後者はYes/Noではなく具体的にどう思ったかなどで答えるものです。
先ほどの質問例をもう一度見て見ましょう。
質問例2:中途採用で活躍されている方はいますか?いればどんな方でどのように活躍しているか教えて頂いてもよろしいですか?
■質問意図
・転職者も活躍できる環境か否かを確認したい。
・企業が求める人材像を知りたい。
「中途採用で活躍されている方はいますか」→Yes/No(=クローズドクエスチョン)
「どのように活躍しているか教えて下さい」→How?(=オープンクエスチョン)
このように面接で逆質問を考える場合も、質問によってクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンをうまく織り交ぜて、こちらが聞きたい情報を相手から効果的に引き出せるように逆質問を準備しておきましょう。
逆質問こそ面接成功のカギ!
面接での逆質問は、企業が応募者の疑問を解消するための「おまけタイム」というようなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかしこの逆質問では、面接官から応募者の意欲や志望度、コミュニケーション力などを見られていると思った方が良いです。
先ほどの悪い例のように、「質問のための質問」や「答えづらい質問」等をして気を抜いてしてしまうと、思わぬ失点をする可能性もありますので油断は禁物です。
では質問がない場合はどうすれば良いでしょうか?本当に全く逆質問がない場合は、「特にありません」とも言いたくなるでしょう。
仮に私が応募者で全く逆質問がない場合や、結果を待つまでもなく全く合格の見込みがない状況では、「ここまでのお話で十分理解できました。追加の質問は特にありません」と答えています。
単純に言い方を丁寧にしているだけですが、与える印象は結構違ってくると思います。「特にありません」とだけ言われると、言われた方も「コミュニケーションを切られた」と感じる事もありますのでご参考まで。
また、逆質問を幾つ準備すれば良いか?についてですが、仕事内容や勤務条件、その他諸々質問したいことは色々あると思います。(全て質問するかは別として)面接1回あたり5個程度の逆質問を準備して面接に臨むのが良いでしょう。
最後になりますが、逆質問はこちらから聞きたい事を企業に対して直接聞ける限られた貴重な機会です。ここで確認したいことをきちんと逆質問できるか否かで、入社後の「こんなはずじゃなかった」を避ける事にもつながります。
つまり、逆質問は転職それ自体の成否のカギとも言えるほど大切だと個人的には思っています。そして良い逆質問をするためには自己分析や企業研究が欠かせません。
以下の関連記事なども参考にして頂きながら、しっかり準備して面接でアピールして頂けたらと思います!
本記事は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。