【転職】履歴書を手書きするメリット・デメリットとは?

就職活動や転職活動を通じて、「履歴書や職務経歴書は手書きの方が良い」とか「Wordなど、電子データの方が良い」といった議論があるのを掲示板などでたまに目にします。

採否への影響という点では実際のところ「どちらでもOK」というのが結論だと思いますが、なぜかこの手の議論はつきません。

現状、転職サイトや人材紹介会社経由での応募時は電子データが基本で、面接本番の時にもその電子データから印刷した履歴書・職務経歴書を持参するケースが大半ではないかと思います。

一方、年齢的にベテランの方から応募があった場合には、手書きで書かれた応募書類一式が郵送されてくる場合もありますし、ハローワークで募集をかけた場合、手書きの割合は上昇する印象です。

本記事では、筆者自身の人事部で採用担当者の経験もふまえて、手書きの履歴書の長所短所について検証します。

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履歴書を手書きするメリット・デメリットは?

まず履歴書を手書きするメリット・デメリットを以下に纏めます。

メリット
  • 丁寧に手書きする事で、応募企業への熱意、誠意を示す。
  • 手書きする事で書き手の人柄が伝わる(場合もある)。
デメリット
  • 「Word」などのワープロソフトのデータから印刷するの(以下「Word」)と比べて作成に時間がかかる。
  • 書き手の文字の”クセ”などによっては読み手が読みづらい場合がある。

次にメリットで挙げた2点を軸にもう少し見ていきます。

応募企業への熱意、誠意を示す

人事担当者として非常に丁寧かつ綺麗な字で書かれた応募書類を見ると、応募者の当社への熱意を感じる場合もあります。

人事担当者A
人事担当者A

Wordの方が簡単なのに、一件ずつ手書きするのは相当な労力だろうな

逆に雑な字やクセが強すぎる字だと、手書きのデメリットでも述べたあげたように非常に読みづらく、

人事担当者B
人事担当者B

文字が読みづらいな。。これならWordで出せば良いのに。パソコンが出来ない人なのかな?

と全く逆の印象を持つこともあります(以前、達筆すぎて凡人には判読不能なケースもありました)。

このように長所・短所それぞれありますが、仮に手書きの履歴書で当社への熱意を感じた場合でも、

人事の視点

書類選考の採否で重要なのはあくまで履歴書の”中身”です。これまでの学歴、資格、職歴等が応募企業の求めるものにマッチしているか否か?基本的にはこれだけであり、「手書きで熱意を感じるから」という理由だけで書類選考を通過させる事はありません。

この観点から行くと、以下の事が言えると思います。

チェック
  • 「時間をかけて手書きすれば、応募企業に熱意が伝わって少しは選考に通りやすいかも」という動機でわざわざ手書きの履歴書を出すことは、時間を浪費するばかりであまり意味がありません。
  • 逆に単純に「自分がそうしたい」という気持ちから、丁寧に書いた手書きの履歴書を出す事は何ら問題ありません。

書き手の人となりが伝わる

前項で「手書きか否かは選考通過には関係なく、大事なのは職歴の中身です。」と書きましたが、実は「手書きの履歴書を見たい」という方が一定数いるのも事実です。

私が人事部で中途採用の担当をしていた時、何度か「手書きの履歴書が見たい」という注文を現場の部門長から頂いた事があります。

私

部長、既に履歴書はwordで受け取っています。更に手書きの履歴書を提出してもらうという事でしょうか?(二度手間を強いる事になってしまうな。。)

経理部長
経理部長

うーん、そうか。でも面接前にこの応募者の手書きの文字が見たいんだよね。なんとかしてよ。

私

(やれやれ困ったな)。。それなら通常はやりませんが、面接当日に”志望動機書”を手書きで簡単に書いたものを持参してもらいましょう。しかし、なぜ手書きが見たいんでしょうか?

経理部長
経理部長

手書きの書類を見るとね、その人の”人となり”や”仕事ぶり”などが想像できるんだよ。

私

なるほど、わかりました。(実はあまりわかってないけど。丁寧な字なら事務職としてきちんと正確な仕事をしそうとかそういうこと??)

その後提出してもらった手書きの志望動機書を見ましたが、当時若輩の私には手書きの履歴書から「人柄や仕事ぶり」などはさっぱり読み取れませんでしたが、部長はそれを見て満足したようです。

結局その方は面接をクリアして内定しました。

もちろん経歴・人柄ありきの評価ですが、部門長は「字もちゃんとしてるしこの人は大丈夫」と言っていました。

私は複数の会社の人事部で中途採用を担当しましたが、この他にも2~3度、同様に「手書き書類」の注文をもらいました(大ベテランの管理職の方から言われる事が大半でした)。

頻度にしたら少なく、レアケースと言えますが、「手書きの履歴書から人となりを探る」という見方も存在するという事は一応お伝えしておきたいと思います。

そして本事例のように、手書きの履歴書が読み手にとって好印象だった場合は、「人柄や仕事ぶりをアピールするうえでの加点要素」になるメリットもあるという事ですね(運が悪ければ逆に転ぶ可能性もあるわけですが。。)

手書きの履歴書、まとめ

本記事では手書きの履歴書のメリット・デメリットについて書いてきました。

メリット
  • 丁寧に手書きする事で、応募企業への熱意、誠意を示す。
  • 手書きする事で書き手の人柄が伝わる(場合もある)。
デメリット
  • 「Word」などのワープロソフトのデータから印刷するの(以下「Word」)と比べて作成に時間がかかる。
  • 書き手の文字の”クセ”などによっては読み手が読みづらい場合がある。

先述のように、「手書きかWordか」という理由だけで合否が左右されるされることはなく、大切なのはやはり履歴書の中身です。

応募企業から指定がない限り、手書きの履歴書を提出するのは自由ですが、選考に通るために「あえて時間をかけて1社毎に手書き書類を作成・提出する」というのは時間対効果という点で”私は”オススメいたしません

また、IT系などペーパーレスを積極的に推進している業界・企業などでは先述の手書きのメリットが全く響かない可能性も高いため注意が必要です。

最後になりますが、手書きの履歴書を使用される場合、「転職者用」の履歴書を使う事をオススメします。

時折、30~40歳以上の応募者でも「得意な学科:世界史」等、アルバイト用などで使われる市販の履歴書の書式に合わせて書いて来られる方もおりますが、「さすがにちょっと。。」という印象です。

サイズはA3二つ折り、A4などお好みですが、転職に向いた書式のものを使って頂くことをお勧めします。

本記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。以下関連記事もよろしければご覧ください。