合格者が語る「社労士試験」”半”独学!?勉強法 vol.3

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直前期の心構え

本記事は、社労士試験の学習方法に関する記事の(3/4回)です。前記事では、学習初期~中期の学習方法と到達目標についてお伝えしました。

さて、5月には受験願書の申込みも終えて、いよいよ8月末の社労士本試験に向けて最後の追い込みの時期です。この時期に合格圏外でも、一気に追い上げて合格を勝ち取る人もいれば、その逆もあるという非常に大切な時期です。

この直前期の心構えとして、まず以下をお伝えしておきたいと思います。

直前期の心構え
  • 今ここで覚えたたった1つの内容が本試験の1点につながり、その1点が合否を分けるかもしれない。

社労士試験は、合否ラインギリギリで通過する人も多い試験です。私も本試験前日に見直した内容がたまたま本試験に出て、1点積み上げできた経験があります。

これを踏まえて、直前期の限られた時間の中で貪欲に、そしてきちんと優先順位をつけて学習しましょう!

直前期(5月~本試験)の学習内容

直前期は以下に重点を置いて学習を進めます。

直前期の学習内容
  1. 直前暗記グループ(安衛法、労一、社一)の総固め 優先度:◎
  2. 主要科目のメンテナンス&理解の定着 優先度:◎
  3. 選択式対策 優先度:〇

特に前記事の試験科目のグルーピングで、「直前暗記グループ」と名付けて後回しにしてきた科目を直前期に重点的に対策します。本記事は上記「1」の内容になります。

なお、「2.主要科目のメンテナンス&理解の定着」については次回最終回で別途お伝えします。「3.選択式対策」は記事では特に触れませんが、余裕があればやりましょう。選択式については、少なくとも模試や答練などで解いた問題はそのままにせず、必ず復習することが大切です。

では本題に入ります。

直前暗記グループ:労働安全衛生法

労働安全衛生法の出題は、労働基準法と一緒に出題され、配点は以下の通りです。

選択式(1科目5点)労働基準法(3点)労働安全衛生法(2点)
択一式(1科目10点)労働基準法(7点)労働安全衛生法(3点)

他の科目と比較すると配点は低めですが、選択式の足切りも考慮すると、捨てるべき科目ではありません。逆に時間をかけすぎるのも効率的ではないため、テキスト通読と問題演習を一通りは終わらせる。そのうえで、より出題傾向の高い箇所を重点的に押さえるというスタンスが良いと思います。

近年の出題傾向を見てみると、「安全衛生管理体制」「労働者の危険又は健康障害を防止するための措置」「健康の保持増進のための措置」などの出題頻度が高いようですが、近年出ていない箇所が突然出題されたりもするので、やはり一通りは押さえた方が良いと思います。

頻出の安全衛生管理体制は、紛らわしい数字や名称も多いです。単語帳に書き出したり、一覧表等で横断的に違いを押さえるなど、覚え方を工夫しましょう。

直前暗記グループ:労一/社一

一般常識系は出題範囲が非常に広く、対策しづらい科目です。テキストに載っていない内容が出題される場合もあり、学習した分だけスコアが上がるとも言い切れないのが悩ましいところです。

これら2科目はいわゆる「救済」の常連でもあります。救済とは選択式で言うと、通常1科目5問中、3問正解しなければなりませんが、問題の難易度等によってこれを2点でOK、又は1点でOKと合格基準を調整するものです。

救済があるという事は、それだけ足切り基準をクリアできていない受験者が多いという事でもあります。参考までに、近年の選択式試験における救済の実施状況を厚労省のウェブサイトから拾ってみました(厚労省:社会保険労務士試験の結果について

西暦和暦回次合格基準(選択式)救済措置(選択式)
2020令和25225/40労一社一、健保:2点
2019令和元5126/40社一:2点
2018平成305023/40社一、国年:2点

こうした一般常識科目の学習の指針としては、「他の受験者も対策している事は一応自分もやっておく」に尽きます。具体的には以下になります。

労一/社一の学習指針
  1. 労一、社一とも基本的な法律は必ず押さえる。
  2. 法改正事項は要チェック
  3. 時事・白書系問題の対策は、要領よく要点のみ押さえたい。

以下補足します。

補足1 労一ならば、労働契約法雇用安定法労働者派遣法、社一ならば国保法船員保険法介護保険法などのテキストに載っている法律は基本です。まず最初に押さえましょう。学習方法は、他の主要科目の学習方法と同様にテキスト通読&問題演習でOKです。個々の法律にあまり深入りする必要はありません。そして直近の法改正事項は狙われる可能性が高いです。

補足2 一般常識では、時事問題や白書からも出題がありますが、イチから厚生労働白書を読んだのではいくら時間があっても足りませんし、どこが要点かもわかりませんよね。見当はずれの箇所に膨大な時間を使ってしまうのは最も避けたいところです。

私は予備校のDVD通信講座で「白書・法改正直前対策講義」がセットでついていたので、そちらで対策しました。独学の方も単科でも受講できますので、費用対効果を考えると受講をおススメします。繰り返しますが、「他の受験者が対策してそうなところは自分も押さえておく」が基本です。

本記事は以上です。次記事「合格者が語る「社労士試験」”半”独学!?勉強法 vol.4」では、もう一つ重要な直前対策として「主要科目のメンテナンス&理解の定着」についてお伝えします。