転職活動は決まるまで会社の同僚などになかなか相談しづらく、密かに活動を進めている方も多いと思います。
そんな中で書類選考も無事通過!いよいよ次は面接準備としての企業研究へ。
人材紹介会社経由で転職活動をしていれば、事前に企業の面接情報をもらえたりもしますが、
転職サイトやハローワークをメインに活動していると、
「企業研究」と言っても何となく求人票と企業HPを眺めるぐらいで面接に臨む方がほとんどじゃないでしょうか?
多くの方が日々忙しい中で転職活動をしているので、じっくり時間かけて企業研究なんてできないですよね(少なくともかつての自分はそうでした)。
そこで、転職活動の企業研究で「自分だったら最低限こういう感じで押さえておきたい」という項目を以下書き出してみました。

「6W1H」で応募先企業の概要を把握しよう
求人票や企業HPを何となく眺めるだけでなく、以下の問いに沿って必要な情報を拾っていきます。
1.どういう製品(又はサービス)を提供している会社なのか?(What)
2.誰(会社、部署、職種)がその製品の提供を担っているのか?(Who)
3.製品をいつ、どこで製造しているか?(when)/(Where)
4.誰(顧客)に対して製品を提供しているのか? (Whom)
5.製品にはどのような強みがあるのか?売り上げはどの程度か?(How)
※更に上記をHPなどで調べていく中で、疑問が出てきたものを面接での質問事項にします。
6.(質問例)「売上が海外に集中しているのは何故か?」(Why)
ここはよく言われる5W1Hでも他のフレームワークでも何でも大丈夫だと思います。とりあえず網羅的に押さえる感じです。

応募先企業を取り巻く環境について
自社の情報をざっと把握したら、今度は競合他社の企業名や業界におけるシェアなども簡単に見ておくと良いと思います。
(質問例)競合メーカーと比較しての御社の強みをお聞かせ下さい。
更に異業種から転職する場合などは、
応募企業が属する市場・業界の動向なども見ておきましょう。
(質問例)環境問題が取りざたされる中、ハイブリットや電気自動車などの新技術が実用化されている。
そんな中、ガソリン車中心の御社の中長期的なビジョンをお聞かせください。

財務諸表は見てますか?
応募先の会社の業績は気になるところですよね。求人企業は必ずしも業績好調だから募集をかけているとは限りません。
業績が悪く人が沢山辞めており、業務が回らないので募集をかけているなんてことも。
また人材紹介会社などから求人票をもらうと売上高は書いてあるのに、利益欄が空欄なんてこともたまにあります。
(出てないということは??)
ちなみに私の場合、最低限以下は確認するようにしています。
- 売上高・営業利益・・単年だけでなく数年分の推移を確認。
- 自己資本比率・・(10%未満など)著しく低くないか?
- キャッシュフロー(CF)・・営業CFはマイナスになってないか?
企業HPのIR情報やEDINET上の有価証券報告書などでも確認できます。
財務諸表はあまり詳しくないのでこの辺で。お詳しい方はもっと色々と深耕してみて下さい。
求人票で気になる点があったら?
求人票を見ていて、気になるところは人それぞれです。
給与や残業の有無、休日など。
もし面接で勤務条件の事などを質問したら、「やる気がないように思われるのでは?」と思っている方もいると思います。
これについては、仕事の内容の質問を1~2つ先にした上で条件面の質問するのは全く問題ありません。
むしろこの先ずっといる会社になるかもしれないので、気になることは必ず質問すべきです。
言い回しは工夫しつつ、どうしても聞きたいものに絞って質問しましょう。
以下、勤務条件面で気にした方が良い点を例示します。

勤務条件面でのチェックポイント
給与
■年俸制の12分割、16分割などの場合で考慮すべきこと
- 遅刻、欠勤の他、業績賞与等の考え方による当初想定より減額はあるのか?
- 残業代などの実績に基づく追加支給の有無はどうか?
各社の給与規程などによって様々です。
年俸をそれぞれ「12」「16」などで割った金額をそのままもらえるのか?
「もらえると思っていたものがもらえなかった」とならないように。
残業時間
■「〇〇時間分の固定残業代を含む」で考慮するべきこと
- 固定分の〇〇時間を超えた残業代は支給されるのか否か。
(固定残業代45時間込みの場合、45時間を超えた残業代は出るのか?) - 固定(みなし)残業代基本給部分+固定残業代の内訳。
→基本給部分と残業部分の区分は明確になっているか?
→基本給部分が異常に低くなってないか?
(基本給をベースに残業代が計算される。見込みよりも収入が低くなる場合も。)
休日休暇
年間休日数
- 「年間休日120日以上」
一般的なカレンダー通りの土日祝日の休日数(曜日は例外あり) - 「年間休日105日以上」
4週8休制などの週休2日制。120日から祝日を除いたイメージ。
シフト勤務制などで公休は平日含めてまちまちの事も。
※年間休日数については別記事でも詳しく書いていますのでご覧ください。
■有休取得率
・制度上の年間休日数だけでなく、実際に取得しやすい環境か否かも非常に大事です。
(年間休日日数120日以上の会社でも、毎週土日出勤して振替も取れない方も多いです。)
その他、転勤の有無や福利厚生など優先順位づけをして質問しましょう。

まとめ
上記に沿って応募企業のHPや求人票をチェックして企業研究を行い、その中で出てきた疑問点を面接最後での質問事項とします。
・応募先企業、仕事について
→3~4個
・勤務条件面で
→1~2個
全部で5~6個ぐらい質問を準備しておけば初回の面接対策としては十分かと思います。
本来志望度が非常に高い会社ならば自発的にいろいろ企業研究するものですが、
様々な事情で「実際そうでもない場合」もあると思います。
そういう場合は転職活動時の企業研究を自己流にテンプレート化して作業化する。
効率的に必要箇所を網羅し、応募先に失礼のないレベルには仕上げていきましょう!
最後に企業研究をする上で企業HP以外にも役立つものがありますので、そちらを簡単に書いておきます。

企業WEBサイト以外からの情報収集先
新卒採用サイト
・新卒採用の「リクナビ」「マイナビ」「学情」等の掲載情報は新卒の学生向けの内容ではありますが、
同職種の社員インタビューや主要技術、サービスの説明など写真も交えて丁寧に説明してあることも多く、異業種転職組でもイメージを掴みやすいです。
社長・役員や人事部長など、転職の面接の際に顔を合わせる可能性のある方が挨拶を載せている場合もあるので、
面接前にチェックしておく事をおススメします。
転職口コミサイト
「転職会議」や「OpenWork」などは有名。無料で登録できます。
実際に働いていた人の生の声は参考になるため、私も転職活動の際に参考にさせてもらいました。
しかし、匿名の投稿をそのまま鵜呑みにするのもリスクがあります。
・転職口コミサイトで確認する際の留意点
口コミサイトの企業情報を見ると、会社の評価が5点平均でスコアリングされています。
非常に分かりやすいのですが、チェックする際はこの全体スコアだけでなく
- 具体的にどの項目が良くて逆に悪いのか?
- 何人が回答した結果なのか?
によってレビューの信ぴょう性は変わってきます。
仮に1人しか回答していないレビューであれば、その1人の主観的な感想となっている可能性もあります。
また、現職中の方もいますが既に退職した方の口コミも多いので、その部分は割り引いて考える必要もあります。
逆に一定以上の母数があるレビューはある程度信ぴょう性があるように思います。
「休みが取れない」「残業が多い」
と同じ職種の方が複数コメントしているなら、「まぁ、そうなんだろうな」ぐらいに思っておいた方が良いと思います。
当たり前ですが、同じ会社でも部署や職種によっても全く実態は違ってきます。
本記事は以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました!