人間関係の転職理由「言い換える」だけでは通用しない!?~転職面接における退職理由の伝え方~

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「人間関係」が理由の退職は非常に多い

「上司と合わない、辛い」

「嫌な先輩がいてストレスが溜まる、会社を辞めたい」

こうした人間関係を理由とした転職は非常に多いと思います。

少し前の記事※ですが、2~30代の男女のビジネスパーソンに「嫌いな上司がいるか?」とのアンケート調査を取ったところ、

実に7割以上が「嫌いな上司がいる」と回答したとの事。自分も昔いました、嫌いな上司が(笑)

※(参考)「マイナビ転職」へリンク

実際のところ、家庭の事情や自身の病気、会社の倒産など「やむを得ない理由」やキャリアチェンジなどの「やりたい仕事ができない系」以外は、

・給与の不満(評価も含む)

・長時間労働への不満

・人間関係の不満

たいていこのどれかに当てはまりますよね。当然面接する側の人事もそれはよく分かっています。

今回はこのうち、主に上司などの「人間関係」が主な理由で退職する場合の転職理由の伝え方について考察してみたいと思います。

「前向き表現に言い換える」はもちろん正しいが・・

「上司が原因で退職」。面接で転職理由をどのように伝えますか?

多分「上司が嫌いだからです」と直球勝負に出る人は少ないと思います。

面接のマニュアル本などでは、「ネガティブ理由は、ポジティブ表現に言い換える」と書かれていますよね?

例えば、「上司とソリが合わない」というのはコミュニケーションの問題でもあるので、

以前の職場では個人主義的な雰囲気があり、本来協調して進めるべき業務もあまり連携がうまく行っていないという状況だった。

私は仕事を進めるうえで、チームとしてプラスアルファを出すことが重要と考えており、上司とも相談しつつ、ミーティングなどでも積極的に旗振り役などをかって出てきた

ただ私の力不足ではありますが、それでも中々職場の雰囲気が良くなって行かず、改善は見えない状況だった。

そこで「コミュニケーション力を武器に組織の活性化にもっと貢献したい」そんな気持ちから転職を決意しました。

上記は一例ですが、「他責的にならずポジティブに言い換える」というのが基本です。

「(ただ文句を言うだけでなく)改善に向けて色々努力した」というのも必ず付け加えましょう。とにかく「他責の人」と受け取られるのはNGです。面接官の心証が一気に悪くなります。

そしてここからが今回の記事の本題です。

まだ年齢も若く、1~2回ぐらいの転職ならば、事例のような「ポジティブ言い換え」で「まぁ仕方ないか」ぐらいに思ってもらえるかもしれませんが、

転職回数が多めの方だったりすると、一般的には面接官の突っ込みもより厳しくなります。先ほどの事例に対しても以下のように返される事も。

面接官
面接官

前回転職する時に「どんな組織風土か?」とかは確認しなかったんですか?調べが足りないのでは??

応募者
応募者

確かにそういう面もあったかもしれませんが・・

面接官
面接官

まぁわかりました。

(転職回数も多いし、簡単に転職を考える人なのかな?それとも何か本当の不満が別にあるのか?まぁ「迷ったら採るな」が鉄則だし、この人はやめておくか。)

こうなってくるともう劣勢ですね。よほど実績・経験が飛び抜けているとかでない限り、合格はおぼつかないでしょう。

今回の記事の趣旨は先述のように「ポジティブに言い換える」事は基本としつつ

本当の理由をうまく隠して、上記の回答ぐらいで納得してもらえば良いですが、「本当の不満」を言わずに果たして面接官を納得させられるか?

面接官によっては「本当の不満」をストレートに伝えなければ「転職の必然性」について納得を得られない場合もあるので、いざとなったら本当の退職理由を話す心構えもしておいた方が良いと思います。

転職理由に「リアリティ」はありますか?

「人間関係」による転職理由をそのまま伝えるのは「かなり注意が必要な事」は誰にでも分かる事だと思います。

そのため、この理由を隠して「全く別の退職理由」を伝えている方も中にはいるかもしれません。例えば「家庭の事情」や「業績不振による将来への不安」など。

ウソを言ってはいけないのは大前提として、人間関係が主たる退職理由だが、第2、第3の退職理由が他に存在するならば、それを伝えるのは個人の選択の問題なので何ら問題ありません。

要はその選択した退職理由が「転職もやむを得ない」と面接官を納得させるだけのリアリティがあるかどうか?

「事実ではない」「具体性がない」ような回答では、厳しい面接官には通用しない場合も想定しておくべきです。本当に悩み苦しんだ理由であればその話はリアリティ(真実味)が違います。

次項ではこれを踏まえて、もう一度主たる理由である「上司が嫌いで転職」について見ていきます。

「人間関係」を正直に伝えるのもアリ!?

「上司が嫌いで転職」。この「嫌い」というのにも色々な理由があると思います。例えば以下のような理由です。

上司が嫌いな理由

①(仕事を進める上での)考え方、やり方が合わない。

②人格的に嫌い(やり方の押し付け、感情的、自己中心的、パワハラ気質)など。

①(仕事を進める上での)考え方、やり方が合わない。

ビジネスを進める上で、お互いの考え方や進め方が合わないのは当然起こり得る事です。

今後のビジネスの方向性をめぐって、上司・部下双方が「こうすれば良くなるはず」「会社を良くしたい」というビジネスに立脚した想いをぶつけあった。

その結果、自分の想いとは異なる方向性で決定した。

「自分だったらそうはしなかった」

「こうすればきっとうまく行ったはず」

この大きなビジネス上の決定がきっかけで、モチベーションを下げる事になり、結果的に退職につながった。

  • ビジネスへのやりたい事が明確で、前向きかつ熱い想いを持っている
  • 他責的ではない(上司の悪口、上司のせいにしていない)
  • その状況であれば退職を考えてもおかしくはない

仮にこれらの条件を満たしていたとしたら、

「上司との考え方が合わなかった(=人間関係)」と伝える事がそんなにネガティブな印象を与えるでしょうか?

もちろん伝え方にもよると思いますが、

「多少まっすぐで融通が利かない面もあるかもしれないが、仕事についてはまじめで真剣に考えているな」

結局は相手の受け取り方次第なのですが、このように受け取ってもらえる可能性だってあるかもしれません。

あくまで個人的な考え方ですが、こうした「 ①(仕事を進める上での)考え方、やり方が合わない(=人間関係)」が本当の退職理由ならば、下手に真実味のない別の理由で言い逃れて無用な突っ込みを受けるよりは、包み隠さず伝えてしまうのも十分選択肢の一つかなと思ったりします。

②人格的に嫌い(やり方の押し付け、感情的、自己中心的、パワハラ気質)

「個人の人格の好き嫌いは仕事をする上で関係ない」。でも「そうは言っても・・」って話ですよね。一度関係性が悪化すると、修復するのもなかなか難しかったりしますので。

この「人格的に嫌い」の退職理由の場合、正直に伝えてしまうとやはりリスクが大きいです。

人間関係で「片方が100%悪い」なんてことはまずありません。

ですので、どうしても「他責的」に聞こえてしまいがちですし、「仕事に好き嫌いを持ち込む人なのかな?」「人間関係がうまく行かない人なのかな?」というネガティブな印象に直結します。

これはさすがに避けた方が良いです。

この場合は、本来のセオリー通り「ポジティブに言い換える」で何とか押し通すか、又は第2・第3の転職理由が事実としてあるならば、そちらのストーリーをきっちり詰めていくか。

一方、これが客観的に見て「明らかに上司の言動が原因で、職場で様々な問題が起きている」「法律に抵触している」など、度が過ぎた問題が発生していれば、当然立派な退職理由になり得ます。

昨今のニュース報道等でもあるように、こうした事も十分起こり得る事です。

まとめ

  • 人間関係が退職理由の場合、基本的には「ポジティブに言い換える」のがベスト
  • ただし、リアリティ(真実味)がない転職ストーリーは面接官に全く響きませんし、簡単に見破られる事も。ケースにもよりますが、本当の理由を正直に伝えてしまった方が良い場合も。
厳しめ面接官
厳しめ面接官

ちょっと漠然としてて言ってることがよく分からないな!もう狐と狸の化かし合いは止めようよ?要するに何が不満だったの?何も不満がないのに会社辞めるわけないでしょ?「給与?」「残業?」「人間関係?」スパっと一言で言ってもらえるかな?

圧迫面接でもない限り、さすがにここまでストレートな突っ込みはないと思いますが、「曖昧な答えで切り抜けられるほど転職の面接は甘くない」と考えておいた方が、本番での驚きも少ないでしょう。

「備えあれば憂いなし」

面接で伝える退職理由に不安がある方、転職回数が多い方は、この”厳しめ面接官”の激しい突っ込み”にも耐えられるぐらいの転職ストーリーを準備して、自信を持って面接に臨みましょう!

本記事の内容は一般的なガイドラインを示すものであり、筆者の人事採用担当としての経験に基づく個人的見解も含んでいます。 面接の手法や面接官の受け止め方は千差万別のため、全ての面接で適用可能であるとは限りませんし、 面接通過を保証するものでもありません。内容の取捨選択はあくまで読者個々の判断と責任においてお願いします。

Tak
Tak

本記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!

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