【転職】【TOEIC】何点から履歴書に書きますか!?


「TOEICは何点から履歴書に書けるのか?」

似た様なタイトルの記事はネット上に沢山あり、こうした記事を書いているのはTOEICで実際に900点以上のハイスコアを取っている方が多いと思います。

こういう方々と比べると、私のベストスコアは815点。今現在も900点超えを目標にコツコツ勉強中の身であり、まだまだ発展途上ですが、以下の点は強みだと思っています。

  • 企業の人事部門で約10年の経験があり、新卒・中途採用、人事企画にも関わってきました。その中で経営陣や人事マネージャーなどと直接話す機会には恵まれていました。
  • 私が最初に受けたTOEICは370点でした。そこから400点、500点、600点、700点、800点と独学で工夫してスコアを上げて来たので、これからハイスコアを目指す初中級者のレベル感や気持ちがわかる

こうした経験から、人事部時代に聞いた話の内容なども交えつつ「TOEICスコアは何点から履歴書に書けるのか?」を考えてみたいと思います。

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履歴書に書けるTOEICスコアとは!?

履歴書に書けるか書けないかで言えば、そもそも「何点以上なら書いて良い」と言った決まりはないので、「何点でも書きたければ書いてOK」というのがまず基本です。

重要なのは「何点以上ならアピールになるのか?」だと思います。これは応募企業の英語の使用頻度等によっても大きく違ってきますが、本記事では以下の3つの指標について考察したいと思います。

  • TOEIC860点
  • TOEIC700点
  • TOEIC600点

それでは順番に見ていきましょう。

真の即戦力はTOEIC860点以上は欲しい

英語をビジネスで普通に使う会社→「860点~」

※旧ETSガイドラインで言う「Aランク」 。現在のレベル別評価の一覧表はこちら

この「普通に使う」というのは、外資系企業など外国籍の社員もオフィスに在籍しており、社内公用語が英語又は主な会議などが英語で行われるような環境を想定しています。

私は短期間ですが、上記のような半分以上外国籍社員のオフィスで勤務したことがあります。

これは当時のHRマネージャーと話していての見解です。この方は在米期間が長く、ネイティブ並みの英語力の持ち主です。

外資系HR Manager
外資系HR Manager

基本的にこういった環境で働く方の英語レベルは、TOEIC云々ではなく、ネイティブのマネージャーなどが英語面接で話せばすぐに分かる事です。あえてTOEICスコアで言うならば「このぐらい(860点)は欲しい」という話です。

この意見には私なりに納得できました。TOEICで860点を取るには、リスニングパートで495点満点中、最低でも450点以上は取る必要があります。

英語でビジネスをしていくにあたって、この「450点以上」というリスニング基礎力があれば、「今後仕事を通じて、比較的短期間で必要な実務レベルに持っていけるだろう」と私も多少は勉強した者として実感できるためです。

もちろん会話力は別です。ご承知のとおり、TOEIC LR試験は会話力は測定しません。会話力はインタビュー(英語面接)でジャッジしていく事になります。

通常はTOEIC700点以上で十分アピール材料

「TOEIC700点以上」と履歴書に書いてあれば、ほとんどのケースでアピール材料だと思います。持っていれば迷わず書きましょう。

また、当たり前ですが同じ700点でも「海外駐在経験があり、実際に英語を使用していた人」と「スコアだけで使用経験がない人」では英語の運用力は全く違います。

採用する企業はその事をよく分っています。そのうえでTOEIC700点以上と書く企業は、実際のところ応募者にどのぐらいの英語力を期待しているのでしょうか?

採用する側の思惑は以下のようなものも含めて様々です(以下は例です)。

企業A人事担当
企業A人事担当

実際に業務で英語を使用するので、本当は800点以上と書きたいが、それだと応募者がだいぶ減ってしまうので、仕方なく700点以上としている

企業B人事担当
企業B人事担当

700点だと恐らく仕事でバリバリ使いこなすのは少し厳しいかもしれないけれど、当社は海外拠点とのメールのやりとりがメインなので、700点あれば十分

企業側が本当に応募者の英語力を重視しているならば、選考時に英語面接やテストを行って実際の英語力を確認すると思いますし、応募者側でも企業側が求める”実際のところ”はきちんと事前に確認する必要があるでしょう。

また「スコアだけで仕事での使用経験がない人」で、今後仕事で英語を使っていきたいと頑張っている方は、700点を超えたあたりから「会話力」も意識して学習されることをお勧めします

とにかく、TOEIC700点以上は一部のケースを除けば立派なアピール材料です。

TOEIC600点に対する期待値とは?

次に「TOEIC600点はどのぐらいの期待値なのか?」について考察します。

企業によって英語への期待値は様々です。前述のように毎日「日本語の代わりに英語を使うような環境」もある一方、外資系といっても日本法人は日本人ばかりで、英語を「ほとんど使用していない」場合や「メールのみの使用」の場合もあります。

日系企業でも「今後海外進出を考えており、英語人材が必要になってくる可能性がある」など、英語に対して漠然とした期待値はあるものの、現段階では全く使用していないケースもあります。

その他「営業職は使用するが管理部門は使用しない」など、同じ会社でも職種によって異なる場合もあります。

ちなみに私が以前別に在籍していた企業では、以下のような社内昇格基準がありました。主に海外に顧客を持っている製造業ですが、国内のオフィスはほぼ日本人だけです。

  • 営業職:800点以上
  • その他:600点以上

営業は海外向けが大半で、英語が出来なければまず仕事にならないのでこれは納得です。一方でそれ以外の職種では全くと言って良いほど英語を使用していませんでした。

この英語を使用しない職種に対する「600点という基準」の意図について、経営陣に聞く機会がありました。

  • 本当は職種を問わず700点以上は求めたいが、使用頻度や現段階の日本人社員平均スコアなどを見ての判断。
  • その他アジアの海外拠点には700点以上を求めているため、今後状況を見て日本も更に基準を上げる事を考えている。
  • 社員のTOEICスコアアップへの各種フォローアップは会社として実施していく。

「英語をすぐには使用しないけれども、海外を相手にする企業の一員として、せめてまず600点ぐらいは取ってほしい」との事で、受けた印象としてはあくまで通過点、やや妥協した最低基準といった感じでした。

また、書店などで「TOEIC600点突破・・」といった書籍も出ている他、転職サイトなどでも「TOEIC600点以上」という応募要件をたまに見かけることもあります。

こうした点もふまえて、本記事の主旨である「TOEICスコアは何点以上ならアピールになるのか?」 での「600点」に対する私の意見は、

「英語力を評価されるかは不明ですが、十分履歴書に書いて良いレベル」

となります。日本人のTOEICの平均スコアを考慮すると、最初の目標としてちょうど良い基準だと思います。(参考:各国のTOEICスコア平均→IIBCのページへリンク)

就活や転職の面接で「英語も頑張ってるんですね?」などと面接官に問われたら、「現在800点を目指して勉強中です!」ぐらいに返しておきましょう。

TOEIC600点レベルをもう少し考察

ではTOEIC600点の英語力は実際どの程度でしょうか?

スコアの内訳を見てみると、多少の前後はあっても以下のようなスコア配分が多いと思います。

例)リスニング350点+リーディング250点=合計600点

「リスニング350点」というと、リスニングテストの「パート3」「パート4」の聴き取りがだいぶ曖昧な状態だと思います。(参考:レベル別評価の一覧表→IIBCのページへリンク)

海外旅行で片言で話すぐらいなら何とかなりますが、仕事である程度正確に聞き取る必要があることを考えると、即戦力とは言いづらい状態です。

一方で、400点台の時とは明らかに違い、「少し英語の聴き取りが楽しくなり始めるぐらいの段階」なので、今後英語を伸ばしていく場合の「最低限の基礎力」を求めるならば、「600点」というのは的を得た基準だと思います。

経験上、常時400点台の人が「運ゲー」で取れるスコアではないですし、少なくとも「英語学習を努力している」と言えると思います。

ちなみにTOEIC600点を英検との比較で言えば、「英検2級と準1級の間で、かなり2級寄り」という感じでしょうか。これも厳密な比較は難しく、色々意見はあるようです。両者の比較記事もネットに色々ありますので、そちらも是非参考にしてみて下さい。

600点まで頑張ってきた方なら、是非とも700点以上を目指したいですね!

本記事は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。