皆さんはお金を払って心理カウンセリングを受けた事はありますか?
私は以前7~8回程、短期間ですが利用したことがあります。月1回で半年ちょっとです。
この記事を目に留めて頂いた方は、
「何となく心理カウンセリングに興味はあるけどどんな感じかな?」
「仕事で色々ストレスが溜まってて利用を考えているが、どんな感じかわからないし不安」
と思っているビジネスパーソンの方もいるかもしれません。
そこで心理カウンセリングを実際に利用してみた個人的な体験談について書いてみたいと思います。
長期間カウンセリングを受けている方には参考にならないかもしれませんが、自分は基本的に「あの時受けて良かったな」と思っています。
※カウンセリングと言っても世の中には「キャリアカウンセリング」など色々な分野でこの言葉が使われていますが、
この記事は、「臨床心理士」など心理学の学位を修めて企業や個人の方を対象とした精神面のケアを専門にしているカウンセリングについての体験談です。
利用したきっかけ

以前知人と飲みの席で話していた時に「たまに心理カウンセリングを利用している」と聞いたことがきっかけです。
カウンセリングと聞いて「心療内科や精神科にも通院しているのかな?」と思ったのですが、そうではないらしく、
「予防的な意味で定期的に通って話を聞いてもらっている」との事。
(病院の医療とカウンセリングを併用している人ももちろん沢山いらっしゃると思います。)
知人は経営関係の仕事のため「ストレスフルなんだろうな~」「中々他人に言いづらい事も多そうだ」などと思って聞いてましたが、
その時はそれっきり。その後はずっと忘れていました。
その後私自身もちょうど仕事上の役割の変化や人間関係、家庭の事情などで日々ストレスフルな状態にありました。
会社や友人の飲み会などの他愛ない話とは別に、
「家族や友人以外で真面目な話をちゃんと聞いてもらえる場が欲しかった」
という心境だった時、ふと知人の心理カウンセリングの話を思い出して思い切って利用してみることにしました。
宣伝目的ではないので店名は伏せておきます。「都内」「心理カウンセリング」で検索すると普通に出てくるものの中の一つです。
カウンセリングの流れ

事前にHP上でカウンセリングの予約を取っておき、当日都内のカウンセリング先へ向かいました。
受付で「予約している旨」「初めてである旨」を伝えると待合所に案内されます。
他に相談待ちと思われる男女が1名ずつ。カウンセラー2~3名体制で回している模様。
待合室で5分程待っていると「お待たせしました、どうぞ」と相談室へ案内される。
部屋は広めで窓があるので圧迫感がない。絵や花がさりげなく飾ってありリラックスできる環境。
迎えてくれたのは、5~60代ぐらいの優しそうな雰囲気の女性のカウンセラーでした。
実は当初心配していたこと。
「相談時間は約80分間。話続くかな・・・」
「説教されたら嫌だな」
私自身あらかじめテーマが決まっている事ならともかく、初対面の人とフランクに雑談するのはそれほど得意ではない。
ですが、結果的には何も心配なかったです。
こちらから事前に「悩み事」「相談したい事」を伝えてあったので、こちらの話をじっくり聞いて適度に相槌を入れたり、話を掘り下げたりしてうまく進めて頂きました。
とにかくこちらの言う事を否定せず、間が空いてもこちらに不快感を感じさせずに話を聞いてくれました。
ずっと自分が話している感覚で「話が途切れて微妙な雰囲気になるのは嫌だな・・」という事前の心配は無用でした。
私の場合、担当カウンセラーと1対1で80分間話をして、料金は1万3千円程。
※時間・料金設定はカウンセリング会社によってまちまちです。
相談時間が終わると、カウンセラーに部屋の外まで案内してもらって終了。
次回の予約について聞かれたが「また連絡する」旨を伝えて退出。
なお2回目以降は特にこちらから何も言わなければ同じカウンセラーで、「前回の話その後どうなりました?」といった感じでつながりも出てくるので、
初回よりはだいぶ話しやすかったです。
カウンセリングの効果は?

ちなみに私の場合は「仕事の悩み相談」が7割、「家庭の悩み」が3割とだいたい自分で聞いてほしいテーマを決めてからカウンセリングに臨んでいました。
自分の例ですが当時仕事で上司と部下双方に対して不満な事があり、それが強いストレス要因でした。
もちろん自分にも言い分がありました。しかし何となく「自分にも非があるな」と薄々分かってた事でもありました。
ただそれはそうとして、やはり「自分はこう考えているんだ」というのをまず誰かに聞いてほしかったのです。
カウンセラーの方はその話を聞いてどう感じられたのかは分かりませんが、とりあえず否定せずに全て聞いてくれました。
その上で「こういう考え方もありますよね?」という感じで自分で気づいていなかった切り口での意見を頂きました。
とりあえず自分の思っていることを最初に吐き出せたことで、その考え方を受け入れる気になったというか。
利害関係がない第三者だからこそ自分も包み隠さずありのままを話すことができた部分も大きかったと思います。
この共感と問題解決のさじ加減が自分には丁度良かったのか、終わった後はだいぶ気持ちが軽くなりました。
「明日からまた頑張ろう」と前向きになれたというか。
おそらく当時の自分には「話を聞いてもらうだけ」「解決法を提示するだけ」どちらか片方だけではダメで、
このあたりをカウンセラーがうまく汲み取って対応していただいたんだと思います。
カウンセラーの役割とは?

その後自分なりに調べてみると、カウンセラーはいわゆる「コンサルタント」や「アドバイザー」と言われる仕事とは性質が違い、
相談者(クライエント)の話を聞いて「こうした方が良い」という問題解決をメインに行うのではなく、まず寄り添って話を聞いてあげる、
相談者本人が自分で問題解決に向かえるよう心のケアを行い、前向きに促していく役割を主に担うようです。
そのため「話を聞く訓練(傾聴)」を徹底的に受けているようです。
私の場合、担当カウンセラーの方が臨床心理士の資格を持ち、たまたま企業でのマネジメント経験もある方だったので、
当時いきなり職場でマネジメントを任されて仕事の進め方や人間関係面で一人で悩んでいた自分に、
社会人の先輩として「こう考えてみたら?」という問題解決の側面も非常に参考にさせてもらいました。
しかし多くの場合、カウンセラーに悩みを聞いてもらえる事で少し心が軽くなるという事なんだと思います。
(心が疲れて相談しているのに問題解決ばかり提示されても嫌気がさしてしまいますよね。)
その意味ではカウンセラーとの相性もとても大事だと思います。
終わりに

私自身のカウンセリングの体験談を書いてきましたが、仕事や学校、日常生活に常時強いストレスを感じており、
それを「誰にも話せない」というような方が第三者である専門家によるカウンセリングを予防的に利用することで、事後の重い疾患の予防にもつながる効果もあると思います。
また昨今、
「企業によるストレスチェック実施の義務化」(平成27年12月施行)
「ストレスチェック制度関係法令等」
「働き方改革」実施に伴う「労働時間の上限規制」ほか
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」
※厚生労働省HP内の関連ページへリンクします。
※法令等の最新情報は必ず厚生労働省HPのアップデートをご確認下さい。
など職場環境改善に向けた法的基盤整備も少しずつ進んでおりますが、
働く個人としては日々の業務が忙しかったり、上司や人事部、周囲の目なども気になってなかなか本音を話せない事も多いと思います。
しかし最終的に自分の身を守るのは自分自身になると思うので、辛いストレスに向き合っている方で、
家族や友人には内容的に話しづらいような悩みをお持ちの方には「中にはこういう選択肢もある」という紹介をしたかったという趣旨です。