自分の新卒就活は失敗だった
2000年初頭の歴史に名を残す”超就職氷河期”
私もちょうど20年前、この氷河期ど真ん中に新卒の就職活動をした世代です。
当時の状況は文系で言うとマスコミ、銀行や大手メーカーなども営業職中心に募集はしていたが、人数は絞られておりかなり狭き門。
一方SE職、コンビニやファミレスなどの小売・飲食系、塾講師などは今よりも人数は少ないながらもそれなりに募集していたように記憶しています。
当時は4年生の2月ぐらいからマスコミを皮切りに本格的に就活が始まりました。
私もとりあえず聞いたことがある会社にどんどんエントリーシートを出して面接を受けていきました。
かなり1次面接落ちもしましたが、最終面接まで進んだところも少ないながら何社かありました。
ところが最終面接では 「なぜウチなんですか?」という質問には薄~い回答ばかりできちんと答えられませんでした。
それはなぜか?正直言うと内心では、
「応募できそうな職種で正直ピンと来るのがなかった」
「ピンと来る職種がない以上、その仕事をどこの会社でやるのか(=なぜウチなのか?)にも答えられない」
「そもそも就職して社会人になりたいとも思っていなかった」
これを見透かされたように面接では、
「ほんとにウチに来たいのか伝わって来ないんだよね」
「君がウチを第一希望って断言してくれたら内定出すけど?」
などと色々言われました。自分には嘘をつけないタチなんで。。
そこで「演じきれば」おそらく受かっていたと思いますが、そこらへんがどうも踏ん切りがつかず曖昧な回答をした結果お見送り。
適当な回答で切り抜けられるほど甘い状況ではないことに気づく。
「決してわざとではない・・」
「でもなんか違う気がする・・」
「ここに入っちゃって大丈夫なんだっけ・・」
就職活動の前半はこんな感じでモヤモヤしてだいぶ出遅れました。
当時大学の友人の中には「あまりにも時期が悪いので一旦大学院へ行く」という人や「1年間就職浪人」すると言う人も。
私は経済的にもそれらの選択肢は考えられず段々危機感も感じていたので、とりあえず就活後半戦は、
「やりたいことがピンと来てない以上、カラ元気を演じるのは無理」
→「一旦それは置いといてやりたいことは入社後に見つける」
と自分の中で完全に割り切って面接を受けはじめ、最終的には幾つか内定を得てその中で比較的条件が納得できるところに入社しました。
ギアが切り替わってから状況は上向いたんですが、就活前半戦は何十社もお祈りでした。
厳しい時代になんとか正社員に内定出来た事は十分恵まれていたと思います。
ただ「ポリシーなき転職活動」は自分にとっても決して良い思い出ではありませんし、結局ロクに自己分析も出来ていませんでした。
成功か失敗かで言えば失敗だったと思っています。
結果的にはその会社で最初は事務系部門の配属になって数年後人事部へ移動。
採用担当などを経てその後社労士資格を取得~という感じで少しずつ開けていったんですけども。

やりたいことは自分もなかった
今考えると大変失礼な話ですが、就活開始当時はこんなふうに考えてました。
「やりたいことなんて言われても特に何もないし・・」
「普通に生活できれば仕事なんて別に何でもいいんだけど・・」
「数撃てばそのうちどっかは当たるでしょ・・」
全くナメてますよね。。でも内心こう思ってたのは決して自分だけじゃないはず(笑)
でも大丈夫です。世の中そんなに就職意識が高い人ばかりではありませんし、社会に出ている諸先輩方にもいろんな方がいます。
内心どう思ってても別に良いんですよ。ぶっちゃけ本当にやりたい事なんて見えてない人の方が多いんじゃないかと。
結局新卒の面接に受かるかどうかは、
「とりあえずでも現時点での自分のやりたいこと=(仮説)」を(他人も納得できる構成で)準備できているか?」です。
一言で言えば「自己分析」をきちんとやる事です。後は腹を決めて演じるのみ(笑)!
本記事ではこの”めんどくさい”自己分析を行うためのきっかけを幾つかご紹介します。
既にやりたいことがはっきりしている方は以下を読む必要はないかと思います。
現段階でやりたいことがはっきりしていない方は、
- やりたい事がはっきりするまで就職しないか?
- とりあえずどこかに就職するか?
の二択だと思います(どちらが良いかは一旦置いときます)。
次項からはこのうち「やりたいことははっきりしていない」が「とりあえずどこかに就職する」場合を想定して書いています。

1~2回の面接で学生の本質を深く理解するなんて無理
新卒採用は全員が業務未経験のため、企業側は学歴や部活動、その他過去の体験談などから
「ウチで活躍してくれるポテンシャルがありそうか?」
「必ず仕事では困難にぶち当たるが、どうやってそれを乗り越えるのか?」
という面を変な話「推測」で判断するしかありません。
面接官も一度きりの面接で、その人の人格や本質を正確かつ深く見抜く事などまずできません。
そのため、
「筋の通った話ができている」
「(とりあえずでも)熱意を見せている」
といった”分かりやすく評価できる人”がやはり有利です。
そして筋の通ったストーリーを話すためには事前準備(=自己分析や会社研究)が必要です。
「何故ウチなんですか?」という質問に根拠も含めてきちんと自信をもって答えられるようにしましょう。
自分だけでなく他人が聞いてもある程度納得できる話である必要があります。
最低限これが出来ていれば(遅い早いはあっても)いつかはどこかに決まるでしょう。
また、面接官をしているとよく聞く話ですが、
「体育会でキャプテンしてました!」
「海外留学の経験があります!」
とか派手な体験をアピールする場合。その体験自体がアピールになるのではなく、それだけではただの「材料です」。
「そこから何を学び」
「今後どうしていきたいのか?」
といったストーリーで伝えられなければ「で?」となりますし、材料の大小は本質ではありません。
そういう派手な体験がないごく普通の多くの方が自己分析を通じて自分のストーリーをきちんと話す事で内定しています。
また「話下手」などは後からいくらでも改善できますし、これも正直合否にはあまり関係ありません。
話下手な人でも一生懸命考えて話している姿勢、内容から「実直さ」「素直さ」「粘り強さ」などの人間性を感じ取れれば、
ただ表面的にペラペラ話しているだけの人よりもはるかに好印象の場合だってあります。
要は自己分析をちゃんとやって、現時点での仮説をしっかり面接官に伝える事。これだけです。
「先輩があの会社は良いと言っているから」
「親がこの会社を勧めるから」
よく考えた末に自分も同意見だった、納得ずくの結論ならばきっかけが上記でも問題ないと思います。
ただ自分では一切考えずに誰かの意見に流されているだけだとしたら?
「何故ウチなんですか?」という面接官の質問に納得感のある答えは出来ないでしょうし、
仮に入社できてもどこかでうまく行かなかった時に、自分で考えて選択しなかったことを後悔する事だってあるかもしれません。
この先「やりたいこと」が変わっても別に良いじゃないですか!
まずは「今の自分はこう!」という仮説を面倒でも作ってみるところから始めましょう。
そう、自己分析は仮説づくりです。
※記事が長いため、具体的な「自己分析のヒント」を【後編】に移管しました。続きはこちらから。