自己分析といえば、新卒の就活の時以来という方も多いと思います。
新卒の時には自己分析や企業研究をきちんと行って会社選びをした方でも、転職活動ではそれがおろそかになってしまっている方もいるのではないでしょうか?
前回の記事では、自己分析や企業研究をおろそかにしたことにより転職のミスマッチが起こるという事をお伝えしました。
本記事はその続編という位置づけで、転職後のミスマッチを防ぐための自己分析のやり方、そして転職者だからこそ必要な自己分析における大切な視点についてご紹介します。
転職における自己分析のやり方
自己分析に決まったやり方はありませんが、一つ例にあげると、Will-Can-Mustというフレームワークを用いた自己分析があります。
- 今後やりたいこと(Will)
- 自分がこれまでやってきたこと(Can)
- 周囲から求められていること(Must)
WillとCanは「自分がやりたい」「自分ができる」という自分軸であるのに対して、Mustは他者や会社から求められている事です。これらをまず明確にしたうえで、それが実現できる仕事・会社選びを行います。
では具体的にこれらが一致していないとどうなるかを考えてみましょう。
例えば、これまで事務のスペシャリストとしてやってきた方(Can)で、今後もスペシャリストとして更なる高みを目指している方(Will)がいたとします。
ところが転職先の企業では、その方に対して経験豊富なベテラン社員として実務よりも若手のマネージメントをメインにやってほしいというニーズ(Must)だった場合、マネジメント業務中心の転職先での仕事はその人にとってやりがいとならない可能性が高いです。
こうしたミスマッチを起こさないようにするために、自己分析に加えて企業研究もしっかり行いましょう。そして、不明点は面接時に逆質問をして相手のニーズ(Must)を正確に把握することが大切です。
少し逸れましたが、自己分析に話を戻します。
ご自身のWill(やりたいこと)やCan(できること)を具体化していくために、まず以下のような質問をご自身に投げかけてみる事から始めてみてはいかがでしょうか?
- 元々なぜ現在の仕事を選んだのか?
- 逆に強いストレスを感じたのはどんな時だったか?なぜそう感じたのか?
- なぜ現在の仕事を退職する(した)のか?逆に何が解決すれば転職せずに済むのか?
- 仕事を通じて自分が得意だと思える事は何か?なぜそう感じたのか?
- 逆に苦手な事は?なぜそう感じたのか?
- 今後も同じ仕事を続けて行きたいか?なぜそう思うのか?
- 続けたくないならば、なぜそう思うのか?逆にどんな仕事がしたいのか?
- その仕事は転職しなければできない仕事なのか?
- そもそも何のために仕事をするのか?
- 今後どうなっていきたいか?
これまでの仕事の経験を振り返りながら上記の質問に答えてみて下さい。これらをご自身の中で明確にすることで、後はそれができる会社か否かを選ぶだけとなります。
そして選ぶためには自然と応募企業について知りたい事、逆質問すべき事も出てきますよね?
逆にこうした自己分析の結果、「今はまだ転職する時期ではない。もう少し今の会社で頑張ろう」というのが結論ならば、それはそれでもちろんOKです。
転職における自己分析で欠けている視点とは?
前項では、転職活動における自己分析の必要性とそのためのフレームワークとしてのWill-Can-Mustをご紹介しました。本項では少し逆説的な話をします。
就職活動における自己分析において必ず登場する「やりたいこと」が明確な人は一体どのぐらいいるのでしょうか?
新卒の方ならいざ知らず、やむを得ない理由で退職して仕事を探している人、仕事は生活費を稼ぐ手段として割り切っている方など、仕事に対して必ずしも前のめりでない人も必要があれば転職します。
何が言いたいかと言うと、「やりたいこと」を明確化するのももちろん大切な視点ですが、「やりたくないこと」を把握しておくことも同様に大切だと個人的に思っています。
仕事にはどうしてもトレードオフというか、表面的に見てやりたい仕事だったとしてもその裏の大変さだったりとかは見落とされがちです。良い面だけでなく、コインの裏側の検証も必要です。
特に転職者の方は、これまでの会社経験を通じて「これだけは絶対ガマンできない!」という点はなかったでしょうか?というか、ガマンできない不満があったからこそ会社を退職されている方がほとんどだと思います。
- 絶対やりたくない仕事内容
- 転勤がある
- 残業時間が長い
- 休日出勤が多い
- 給与が安い
- 評価制度が嫌い
- 社風が合わない
- 通勤が遠すぎる
人によってガマンできないポイントは違います。
例えば私の場合、以前非常に長い残業時間の企業にいたことがありましたが、何よりこれが一番キツかったです。
ですので、自身の転職活動では前向きに目指すキャリアを追求する一方で、例え仕事内容などが希望に合いそうな求人を紹介されても、
残業時間が私の考える基準より多ければ絶対に応募しない(代わりに例えば給与面など、他の条件で妥協できるところは妥協する)というスタンスで活動していました。
もちろんこれには注意も必要です。
この「絶対NG」項目が多すぎると応募できる企業がなくなっていまいますし、全ての要望を満たす求人には中々出会えません。
選り好みできない状況の方もいるでしょうし、やりすぎると機会損失につながりますので「これだけは絶対譲れない」ものを厳選することをおススメします。
また、「残業が長い」「給与が安い」というのも非常に主観的な尺度で、誰が見ても明らかなものを除けば、人によって感じ方は全然異なります。
例えば、普段60時間残業している人と残業がゼロの人では、「残業40時間」に対する感じ方は違うと思います。面接官や他人に伝える場合などは特に注意して下さい。
まとめ
最後簡単にまとめておきます。
転職者の自己分析においてはいわゆる正攻法としてのWill-Can-Mustに加えて、これまでの経験を通じて見出した絶対NGの項目も把握したうえで応募企業を選定しましょう。
そうすることで、前記事からご紹介している「こんなはずじゃなかった!」という転職のミスマッチが起きるリスクを大幅に下げる事につながります。
本記事は以上です。最後までご覧頂きありがとうございました。