企業研究はどこまでやりますか?
こんにちは。いつも当ブログをご覧頂きありがとうございます。
さて今回は転職の面接準備としての企業研究についての記事です。
みなさん実際どのぐらい事前に応募企業について調べていますか?
私も転職活動の経験が何度かありますが、連日残業の合間を縫って抜け出して面接を受けていた時などは結構手抜き工事でした。
前日に求人票をチラ見して、軽く企業のウェブサイトを見た程度で面接を受けていました。
「応募企業に失礼かな」とは思いつつ、こちらも現職が忙しくて時間がないので、優先度が低い会社などは”流れ作業”になりがちだったりしますよね。
逆に時間が充分あってやろうと思えば、ビジネスで使われる各種フレームワークなどを使って企業分析したりと、それこそ気の済むまでやれると思います。
ただ、そもそも何のために企業研究をするのか?
フレームワークに沿ってガッツリ企業研究することそのものが目的ではありません。
就職における企業研究の目的は自身の志向にあった転職先に内定するためです。
そのため企業研究では以下の3点を確認、準備する事が大切だと思います。
- 転職先として自分の希望に合っているかを確認する(職務、条件など)
- 面接での質問に適切に回答できるように準備する。
- 不明点(質問項目)の洗い出し。
この辺をきっちり押さえていれば、やり方は正直何でもOKというスタンスです。
逆に、この「転職先として自分の希望に合っているかを確認する」というのはきちんとベースとなる自己分析ができており、「今度の転職先に何を求めるのか?」の優先順位がきっちり定まっていないと検証しようがありません。
この辺の擦り合わせが不十分な状態で仮に面接をクリアして内定を得たとしても、入社後に
「こんなはずじゃなかった」
と本人・企業側双方にとって不幸な結果になるリスクもあります。
ですのでごく当たり前の事を言いますが、(自己分析は当然として)企業研究は重要です。
実際入社して見なければ分からない事の方が多いです。OB・OG訪問ができれば違うと思いますが、転職者でそこまでできる人は少ないと思います。
しかし例え表面的な情報しか取れなくとも、先述のようなリスクを少しでも回避するために、できる事はきっちりやっておきましょう!

私が使っていた自作の企業研究シート
時間がない中でも効率的かつ網羅的に企業研究をやっておきたい。
そんな趣旨から私が私自身のために自作した企業研究シートを参考までにご紹介したいと思います。
「応募企業の求人票」や「企業ウェブサイト」、時には「新卒採用のHP」等を見ながら下記の質問に答えていくようなスタイルにしています。
大項目 | 中項目 | 小項目 |
自社 | What | どういう製品又はサービスを提供している会社か? |
Who | 誰(会社、部署、職種)がその製品の提供を担っているか? | |
When/Where | 製品をいつどこで製造しているのか? | |
Whom | 顧客は誰か?(対企業、対個人、国内、国外etc.) | |
How | 市場シェアは? | |
〃 | 製品又はサービスの強みは?(技術力、営業力etc.) | |
〃 | 逆に弱み、課題は? | |
競合 | 競合企業はどこか?市場シェアと強みは? | |
市場 | 業界、市場が抱える強みや課題。今後の展望は? | |
自社 | 財務 | 売上高は?(単年と過去数年の推移) |
経常利益は?(単年と過去数年の推移) | ||
自己資本比率が著しく低くないか? (性質上そもそも低めの業界もある) | ||
営業キャッシュフローはマイナスになってないか? | ||
組織 | 応募企業のブランドイメージは? | |
「ビジョン」「ミッション」「コアバリュー」などの 社是的なものは覚えたか? | ||
企業トップの顔と名前は?(役員構成も見ておく) | ||
文化・雰囲気は?(体育会系、文化系、集団型、個人型etc.) | ||
企業が求める人材像は? | ||
職務 | 担当職務で自分の強みは活かせそうか?どう貢献できるか? | |
3年後、5年後のキャリアイメージは?(昇進etc.) | ||
評価制度は?(成果、年功、職能給、職務給etc.) | ||
同じチームの上司、メンバーはどういう人か? (転職者が多い、出向者が多い、年齢層が高いetc.) | ||
勤務条件 | 給与、賞与、残業代は自己認識とズレがないか? (16,12分割、業績による減額有無、残業代の計算基準etc.) | |
給与制度の変更予定有無、昇給カーブは? | ||
残業時間の実態は?(固定残業、裁量労働制etc.) | ||
休日は?(年間休日数(120日、105日etc.)、休日出勤有無) | ||
有休取得率、育児介護休暇取得実績etc.は? | ||
必要な教育研修は受けられるか? | ||
求める福利厚生はあるか? | ||
通勤時間は許容範囲か? | ||
転勤(国内・海外)の有無は? | ||
社会保険(健保・年金・雇保・労災)加入の有無は? | ||
リスクチェック | 離職率 | 就職情報誌などで確認できる場合も。前任者はなぜ辞めたのか? |
クチコミサイト | 自分が調べた内容と比べてどうか?(あくまで参考程度) | |
検索エンジン | 企業名+”気になるワード”を入れて適当に検索。 (おかしな情報が出てこないか?) | |
まとめ | 応募企業として魅力に感じる部分は? | |
逆に不安に感じる部分は? | ||
「優先する項目」と「妥協できる項目」は? |
- 「3C分析」などをベースにしていますが、事実情報を拾っているにすぎません。ここから「ではあなたならどうするべきか?」などの問いについては、必要に応じて「SWOT分析」などのフレームワークで深耕しても良いと思います(ちなみに私はそこまでやっていません)。
- 「市場・顧客」などの外部環境については「PEST分析」や「5フォース」などで必要に応じて深耕して下さい(やり方を書いている個人ブログも結構あるようですが、私はそこまでやっていません)。
- 本シートは私が自分用に作成したものであり、ビジネスを意図したものではありません。従って項目のヌケモレもあると思います。利用する場合は各自で適宜追加・削除して下さい。特に財務面に関しては当方素人です。EDINETなどで公開されている財務諸表や企業のIR情報などで各自補完して下さい。
- 当シートの利用はあくまで自己の選択と責任においてお願いいたします。
企業研究シートはこんな感じです。先ほど「効率的」と書きましたが、一つ一つ見ていくと結構な分量です。
私自身は、重要なポイントのチェック漏れを防ぐ意味でこのシートを参考にしていました(作業自体は慣れもありますが、かなりサラッとやってました)。
あと企業研究をテンプレ化することでルーティンの一つとしてこなしていく意味もありました。
もちろんこの中には入社して見なければ分からない部分も幾つかありますが、自分にとって重要と思うものは、極力面接の最後で質問していました。
やっぱり入社後に「こんなはずじゃなかった」となるのはイヤですからね。
とはいえ、これを全部きっちりやったとしても「こんなはずじゃなかった」は”あるある”なんですが(笑)。
まぁ、結局どこまでやるかですね。
私は以前人事部で中途採用担当者として面接を担当していたこともありますが、面接官側の立場からすると、
「入社前に何から何まで調べて知っている事」をそこまで期待してないですし、「分かるわけがない」と思っています。
それよりも面接では「ウチに入りたい」という素直な気持ちをまず見せて欲しいなと個人的に思っています。
本編は以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました!

関連記事のご紹介
最後に関連記事をご紹介しておきます。
下記は以前当ブログで企業研究について書いた記事です。
内容面の重複がありますが、本記事のシートにも載っている「給与・賞与・残業代のチェックポイント」「クチコミサイトを見る際の留意点」について詳しく触れていますので、拾い読みしてもらえればと思います。
下記は、本記事のシートにも載っている「年間休日日数」について詳述しています。